俺様天使の助手になりまして

 隣を見てギョッとした私は、慌ててアクマ天使の腕と柵をぎゅっと掴んだ。

 あろうことか柵を乗り越えようとしている! そして私も道連れにされようとしている!!

「ちょ、こんなとこから下りちゃダメだよ!」

「あ? 何言ってんだ今更。さっきだって、二階から飛び降りたんだぞ。大丈夫だ危険は無え。俺に任せときゃいい」

「さっき? あー、あのスタンて音。じゃなくて! 危険とかそんな問題じゃないの!」

 こんな言い争いをしている場合じゃない。

「とにかく飛び降りはダメ! こっち来て!」

 こういう橋があるところには、近くにエスカレーターがある筈だ。

 力一杯アクマ天使を引っ張って柵から剥がし、何とか下りエスカレーターまで連れて行く。

 焦るよ。ほんとに。どっちが目が離せないんだか。

 最速記録更新の勢いでエスカレーターを駆け下りて行くと、丁度イベントが始まるところだった。司会の女の人がマイクを通して話し始めている。

「間違いねぇ、あっちの隅にいるアイツだ」

「でも近くに玉が飛んでないよ?」
< 146 / 264 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop