俺様天使の助手になりまして

「誰かいるんですか!?」

「うわあ!」

「うきゃあ!」

「ぎゃっ」

 三人三様の叫び声をあげて固まっていたのは、ちびっこの天使だった。

 くるくるカールの金髪。ピンク色のぷくぷくした頬。大きな藍色の瞳。小さな翼をパタパタさせて飛んでいる! 教会で見た絵にそっくりだ~!

「きゃ~ん、かわいいっ」

 背中に小さな弓と矢を背負っている! 本物キューピットだあ!

 興奮する私をよそに、三人は顔を寄せ合って話した後一斉に振り返った。私の目線よりも高い位置まで飛び上がって、見下ろしてくる。

「おまえ、りくとーるさまの、じょしゅか?」

 まず、真ん中の子が話しかけてきた。日本語だ。

「うん。そうだよ。ほら、印があるでしょ?」

 例の印を見せると、三人とも興味津々な様子でじっと見ている。

「おんななのに、ちゃんと、やくにたってるのか?」

 今度は、右端の子が話しかけてきた。この子も、男の子っぽい。

「うーん、役に立ってると思うよ?」

 これでも、玉を取り出せたんだから。

「おねえちゃん、つよいの?」

 最後は左端の子だ。この子は、女の子な感じ。髪も二人よりも長めで、雰囲気がぽやんとしている。

「普通の人間の男の子よりは、強いと思う」
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