俺様天使の助手になりまして

「それなら、おれたちと、しょうぶしろ!」

「おれたちに、かたないと、じょしゅだって、みとめないんだからな!」

 男の子たちが、小さな弓を私に差し出した。女の子は、真剣な顔して頷いている。

「えーっと、勝負??」

 どうしようか。弓矢で勝負って言われても、剣道しかしたことないのに。

「あのね、弓は出来ないの。それにね、私の武器は、リクトールがいないと出せないの」

「〝さま〟をつけろ!」

「なまいきだぞ! それに、しょうぶしないつもりか!」

「おねえちゃん、ゆみ、できないの? ほんとに、つよいの?」

 男の子たちはぷんぷん怒って、女の子は疑いの目を向けて来る。

 さあ、困った。適当な棒きれを拾って勝負するのもいいけれど、ちびっこたち相手には出来ない。人間で言えば、幼稚園児くらいなんだから。

「そうだ。ね、勝負なら、おねえちゃんの国のやり方でしようよ」

「どんなの?」

「かんたんなの?」

「わたしにも、できる?」

「うん、誰にでも出来て、強いかどうか分かるの。どうする?」

三人は顔を寄せ合って話しだした。そして一斉に振り返って私を見る。息がぴったり合ってて、まるで、三つ子みたいだ。
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