俺様天使の助手になりまして
「ね、二人はどこに隠れたか分かる?」
「わかんない」
そうだよねぇ。まあ知っていても教えてくれないか。
この子と違って、後の二人は手ごわそうだ。やんちゃそうだったし、簡単に掴まる気がしない。
アクマ天使のチビな頃って、あんな感じだったのかな。ちょっと生意気で、自分に自信があって、おまけに頭が良い。可愛くない子だ。
風も穏やかで、静かですごく気持ちのいいところ。神社や教会の空気に似ている。気温も丁度よくて環境がいい。けれど、誰にも会わないなんて変だな。
「ね、ここには、あなたたちの他は誰もいないの?」
「ううん、そんなことないよ。いーっぱい、いるよ」
いーっぱい、か。
到着した時、おかえりなさいって声がしたくらいだから、数人はいるんだろうけれど。今は、建物の中にいるのかな。
「あ~! いた!」
植え込みの中から羽が少しだけ見えていて、もぞもぞと上下している。小さな弓の先端部分も見える。
間違いない、男の子天使だ。
女の子を下に下ろし、指先を唇にあててシーのポーズをして見せる。そーっと歩いて近付いて行くと、茂みの中で男の子がうずくまっていた。
よっし、私に気付いていないぞ。このまま上からそ~っと……。