俺様天使の助手になりまして
「つ~かまえた!」
くるくるカールの頭の上に、ぽんと手を置く。
男の子天使は心底びっくりしたようで、うきゃあ! と叫んで、びくんと大きく跳ね上がった。
「びっくりした? ごめんね~」
謝りながら抱き上げると、小さいのに骨格がしっかりしていた。女の子はふにゃふにゃだったのに。
「はなせっ、はなせ!」と、バタバタ暴れているから、結構辛い。
「あっ、おまえ! きたぞって、おしえろよな!」
「ふえっ。だって、おねえちゃん、しーって、いうんだもん」
男の子に怒られた女の子は涙目になり、口をへの字にしてぷるぷる震えている。今にも大泣きしそうだ。
「こらっ、私が近づいたのに、気付かなかったキミが悪いんだぞ。注意力不足なの。それに、女の子を泣かしたら、ダーメ!」
往生際が悪いぞ。男ならスパッと諦めろ。精一杯怖い顔をして見せると、「ごめんなさい」ってしゅんとなった。
さて、残るは後一人だ。どこにいるのか、探しながらゆっくり歩く。私の後ろから二人のちびっこ天使がパタパタ飛んでついてくる。
「おねえちゃん、りくとーるさま、いつ、もどってくるの?」
「会議のこと? ごめんね。お姉ちゃんにも、分からないよ」