俺様天使の助手になりまして

「あ! りくとーるさまだ!」

「りくとーるさま。かいぎ、おわったの?」

「りくとーるさま、わたしたち、おねえちゃんと、しょうぶしたの」

「いつまで、ここにいられる?」

「おれたち、ごほうび、もらったんだぞ。すげーだろ」

 興奮した様子のちびっこが一気に話しかけている。

 私はと言えば、被された布から頭を出そうとしてわたわたともがき、何とか出口を見つけて顔を出した。

 ふぅ、びっくりした。いったい何が被せられたんだろ……。

「あ、これ、木に引っ掛けた天使服だ」

 アクマ天使が持ってきてくれたんだ。慌てふためいたっていうのは、これを探してくれたことかな。

「お前ら何言ってるか、わかんねえから、順番に一人ずつだ。ほら、並べ。整列」

 アクマ天使は、ちびっこと同じ目線の高さになって話しかけている。一人一人の頭を撫でて、褒めている。いつも、こんな風に接しているんだ。

「お前ら、そろそろ弓の時間だろ。遅れると、叱られるぞ」

「あー、ほんとだ!」

「や~ん、いかなくちゃ」

「やばい、いそげ!」

「おねえちゃん、またね」

「バイバイ。みんな、ありがとね!」

 パタパタと飛んでいく後ろ姿に向かって手を振る。楽しかったし、みんな可愛かったな。

「またね、か」

 きっともう会うことはないんだろうな……。
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