俺様天使の助手になりまして

 目を見開くオタク天使に聞かれて、頭をぶんぶんと振る。

「そんなの気付くワケないよ。大天使とか、上位の天使だと思ったもん」

「ああ、そうか。紹介がなければ、気付かないのが普通か。今までお譲さんがいたこの部屋は、女神の部屋さ。ここは、神殿の中にある、第一女神宮だからね」

「えええっ!? それ、ホントですか!」

 なんてこった、あの人が女神だなんて。

 だから、ちびっこは大人しかったんだ。

 だから、あんなに美しかったんだ。

 だから、全然歩く音がしなかったんだ。

 アクマ天使ってば、ここが女神宮だって、教えてくれればよかったのに。失礼なことをしてないかな。

「あああどうしよう。女神さまに会っちゃった! 喋っちゃった! 同じ空気吸っちゃった!!」

「お前、何興奮してんだ」

 捲っていた私の袖を直しながら、アクマ天使がぼそっと呟く。

「だって、まさか会えるとは思ってなかったんだもん!」

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