俺様天使の助手になりまして
「ああ、世界中あちこちにあるらしい。見つけ次第片っ端から結界を張って天使が監視してるが、見つけ切れてない場所もある筈だ。堕天使は魔族と手を組んで、人間界で何事かを起こそうとしている」
「情けないことに、僕らはそんな動きがあることに全然気付かなかったんだ。地上にいたのにね。勿論、大天使もさ。今回の騒動で、僕らは精玉探しに気をとられているから。僕らは奴にまんまと踊らされたわけさ」
堕天使は魔族と契約するために悪の精玉を盗んだんだ。
それで、ついでに他の善玉とか必要ない悪玉を地上にばらまいて、大騒動を起こした。自分の行動がばれないようにするため、天使の力や注意をあちこちに分散させて。
ただの悪戯じゃなかったんだ。大きな目的があったんだ。
「あの、すみません。ちょっといいでしょうか。魔界と繋がる穴をあちこちに開けるとは、そんな大それたこと、天使ひとりの力で出来るものでしょうか」
今まで黙って聞いてたサナダが、手を挙げて慎重な感じで聞いた。
確かにそう。空間に穴を開けるなんて、そんなの堕天使が出来るなら、アクマ天使たちだって出来るってことだ。