俺様天使の助手になりまして
「お譲さん。魔族は、基本面倒くさがりで、気が乗らなければややこしいことはしない。団体行動が苦手な奴らで、統率が取り難い。それに本来の魔族の仕事は人間を悪に導くことと、魂を奪うことだからね。魔界じゃ、堕天使を歓迎している奴らが大半だろう。今回は、一万年前の協定を守って連絡してきただけさ」
「そんな、喜んでるってこと?」
じゃあ、もしかしたら、魔族のほとんど全部が堕天使と手を組んでいるかもしれないんだ。
それで、魔族がみんな穴を潜って、ゾロゾロこっちに来ちゃったら?
人を捕まえて悪玉を入れて、それが同化したら?
悪いことする人がいっぱいになって、魂を奪われる人がいっぱいいて、世界がめちゃくちゃになっちゃう。想像するだけで怖い。
そんなの絶対やだ! 絶対止めなきゃ!
「それで、自分たちは、何をすればいいのでしょうか」
「ね、私たちは、玉探しの他に、穴探しもすればいいの?」
サナダと私が、ほとんど同時に声を出した。
「俺達の精玉探しは、今日で終了だ」