俺様天使の助手になりまして
「僕らリクトール以下一番隊は、穴探しと魔族退治を命じられたんだ。でも、サナダには引き続き玉探しをして欲しい。ここら一体にもまだ少し残っているだろうからね」
「はい。アルバルク様、承知しました。お任せを」
サナダは椅子から立ち上がって、ぴしっと姿勢を正した。
私の街もこの街もサナダが玉を探すんだ。そしたら私は、アクマ天使と一緒に穴を探すのかな。頑張らなくっちゃ!
「そして、アカリ」
「はい!」
名前を呼ばれて、思わず立ち上がった。
キラキラ光る宝石のような目を見ていると、アクマ天使は私の左手を握った。
「お前は、助手の任務終了だ」
「――へ?」
アクマ天使が私の左手の甲をさらっと撫でると、印が、消えた。
「お前の出来ることは、もう無え。これで、任を解く。今までよく頑張ってくれたな。おかげで助かった。お疲れ様。お前には後で――」
アクマ天使が頭をポンポンと撫でている。口が動き続けていて、何か言っていることは分かる。けど、ショックで理解ができない。
一体何を言っているの?
部屋の中に春川さんが入って来た。
「行きましょう。朱里さん」
春川さんに腕を引かれて、部屋から連れ出されていく。
アクマ天使たちがテーブルを囲んで、また何かを話し始めている。サナダが真剣な顔して頷いている。
嘘……私だけ、これで終わりなの?