俺様天使の助手になりまして

『その印は、自分の物とは少し違っていました。リクトール様は、アカリさんの印には制限を付けていましたので。その理由は、想像はできますが、自分の口からは言えません』

「なにさ、もったいぶって」

 何度聞きだそうとしても、サナダは教えてくれなかった。

「制限って何。理由ってどんなの」

 サナダは、一人で精玉探しをしているって言うじゃない。

 どうして私はクビなの? 

 何よ、私を巻き込んで、心にしっかり住みついちゃって。それなのに、離れていくなんて勝手だ。自由すぎる。乙女心はぐちゃぐちゃだ。責任とってよ。

「も~っ、リクトールの、大馬鹿ヤローー!! 逃げんなーーー!! 私だって、やればできる子なんだからーーーっ!!」

 空に向かって、お腹の底から叫んだ。

 ありったけの想いを込めた叫びだ。アイツに届け。ついでに天界まで届いて、みんなに聞こえちゃえばいい。

「少しだけ、すっきりした、かも」

 話を聞いたおかげで、断片的だけど、何をしていたのか思い出した。

「私すっごい頑張ってたじゃん」
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