俺様天使の助手になりまして
このままじゃ絶対に終われない。サナダは危険だって言うけど、私にも出来ることがある筈だ。
サナダと連絡を取り合うんだ。それでリクトールと会うんだ。話すんだ。
「謎を教えてもらうまで、絶対に逃がさないんだから!」
少林寺ちゃんみたいに拳を握り、空に向かって突き出した。
「おはようございまーす!」
「おはようございます、朱里さん。今日も走って来たんですか」
「はい。体力付けたいんです」
額から流れる汗をタオルで拭く。自分で決めたことだから、頑張らなくっちゃ!
『毎日教会に通います! いいですか? 春川さん』
『はい、勿論ですよ。朱里さんの自由ですから、誰にも止められません』
『じゃ、自分が迎えに行きます。バイクですから、すぐですよ』
サナダはそう言ってくれたけど、断ったんだ。
だって、私の勝手な想いで通うんだもん。サナダは任務の遂行とリクトールの動向に気を付けていて欲しい。何かあったら、すぐ連絡が欲しいから。
教会に来始めて、一週間。まだ、リクトールには会えていない。
春川さんは、夜には必ず帰ってきますよって言うけれど、かなり忙しく飛びまわってるみたいだ。穴探しと魔族退治は、それだけ大変なことなんだ。