俺様天使の助手になりまして
サナダの手伝いをして動いているならともかく、教会と塾に行っているだけだ。なのに、何でそんなことを言うの。
「それが、関係あるから、私に伝言を託したのでしょう。隊長の根底にある心情は、私には到底理解出来ません。まあ、あなたは大変面白いお方だと思いますが」
自称部下は私をしげしげと見て首を傾げている。
面白いだと!?? まったく失礼な。
「じゃ、私からも伝言があります。いいですか。一語一句間違えないようにお願いします。【私に言いたいことがあるなら、直接言いに来やがれ。くそったれ!】で」
会いに来てよ。言いたいことがあるんだから。それ以上に、訊きたいことがたくさんあるんだから。
「ふむ。あなたのその想いは、早々に捨てた方がいいですね。辛いだけです」
「どういうことですか」
「我々は最終段階に入っています。間もなく天界に帰ることになるでしょう。それゆえに隊長は忙しく、助手でもないあなたに構ってる暇などありません。それなのに――あ、いえ……隊長の言葉は伝えました。あなたの言葉も必ず伝えると約束します。では、失礼」
「ひゃあっ」
目の前で翼が翻って、咄嗟に目を瞑った。
「……いなくなってる」