俺様天使の助手になりまして

 窓から思い切り身を乗り出して、前、上、左右をくまなく探す。けれど、光る羽が一枚だけひらひらと舞っているだけで、それらしい姿はどこにもない。

「消えちゃった。忍者みたいだったな」

 それより気になるのは、最終段階ってことだ。

 もうすぐ、二度と会えなくなるの? そんなの、嫌だよ。



 気になって、夜はほとんど眠れなかった。

 あれからすぐに、忍者天使が言っていたことをサナダに伝えたら、すごく驚いていた。サナダも知らなかったみたいだ。

『その天使様の言う最終段階とは、何でしょうか。今までアルバルク様から聞いた話で想像すると、恐らく、ゲームで言うところの、ボスステージみたいなものではないかと思います』

 サナダは情報を掴んだら、すぐに教えると約束してくれた。

「ボスステージだって。ね、ぴぃちゃん。リクトールは、いつ天界に帰っちゃうのかな」

 教会のいつものテーブルで、ちょんちょん歩くぴぃちゃんを話し相手にして、気を紛らわせる。

ぴぃちゃんが話せたらいいのにな。そうしたら、いろいろ聞き出せるのに。

「ね、リクトールは、毎晩教会に帰ってくる?」
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