俺様天使の助手になりまして
ここは、みんなが日常を忘れて思い切り楽しむところ。
こんなに素敵な場所だと知っていて魔界の穴を開けたなら、堕天使はすごく酷い人だ。天使なのにどうして悪に傾いたんだろう。
絶対に、思い通りにさせちゃいけない。
ポケットからナビのぴぃちゃんを取り出して見た。玉の反応は、無い。
ホッとしつつ空を見上げる。
分厚くて大きな白い雲の間を、飛行機雲が細い線を描いて行く。リクトールは、いつ来るのかな。
「アカリさん、向こうの様子が変です」
サナダがお化け屋敷を指して、緊迫した声を出した。
「え、何あれ。あそこって、あんなに暗かったっけ」
「そんなことありません」
お化け屋敷の周りが、暗い。他は明るいのに、そこだけが違う空間みたいだ。
「アカリさん、どうやらあの中に穴があるようです。自分が聞いていた場所と違います」
焦ったように言い、サナダはみんなと連絡を取りはじめた。お化け屋敷からは、煙みたいなものが出始めた。
火事じゃ、ないよね?
「うわぁ、サナダさん! あれ、見て!」