俺様天使の助手になりまして
大きな羽音を立てて天使たちが行く。その後を追うように、サナダも走って行った。
忍者天使たちが空から矢を放ち、サナダたちは悪玉憑きの人を相手にしている。
矢を受けた魔族は断末魔の叫び声をあげながらチリとなって消えていく。さすがだ。
でも魔族の数に比べて、圧倒的に天使の数が少ない。お化け屋敷から続々と出て来るのに、このままじゃキッズゾーンが魔族で埋まってしまう。
異変を感じて場を離れる人もいるけど、遠くにいれば気付かないで遊んでる人が大半だ。のんびり立っていて、土玉が当たりそうで、ハラハラする。
このままレストハウスにいたらダメだ。私にはあれが見えるんだ、出来ることをしないと。
ここを出て行くのは、正直、怖い。
けれど、竹刀袋をぎゅっと握って駆け出した。
土玉や矢がびゅんびゅん飛び交う中、必死で避けながら走る。
「早くここから離れてください! 悪いものがばらまかれています! 出来るだけ遠くに逃げてください!」
ありったけの声を出して言ってまわる。
キッズゾーンめがけてくる人も、引き返してもらわなきゃならない。必死に叫んでいると、私に興味を持った人が近づいてきた。
「悪いものって、何?」