俺様天使の助手になりまして

 変な笑い方をして、右、左、前、三方から、ほとんど同時に土玉が投げられた。

 咄嗟にしゃがんで避けると、一つが二人が隠れている囲いに当たった。シュウゥと嫌な音がし、変な臭いがする。

「よげでいいのがなぁ?」

 ブフェッ、ブフェッ、ブフェッと笑う。

 何てこと。避けたらダメだ。土玉は全部、受けながさないと。毒気がふたりのとこに蔓延しちゃう。

 竹刀を握り締めてずんぐり魔族たちを睨んだ。

「絶対、守るんだから!」

 リクトールが来るまで!

 地面に届きそうな長い腕が、ヒュンとひと振りするだけで、すごいスピードで玉が飛んでくる。方々から飛んでくるのを集中して残らず弾くと、土玉はすぐにボスンッとはぜた。

「んんっ、腐っ!」

 黒いモヤがモクッと出て、いやーな臭いがする。これが毒。なるべく息を止めて、遠くで弾かないとダメだ。

 鼻を押さえてると、横目に飛んでくる土玉が映った。

 続けざまに飛び跳ねて間一髪避けると、ずんぐり魔族が「うぅぅー」と残念がった。

「よぞみじで、いいのがぁ?」
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