俺様天使の助手になりまして
天使の闘い
[天使の闘い]

 アクマ天使に低空飛行で運ばれていくと、お化け屋敷のところでは、壮絶な闘いが繰り広げられていた。

 天使たちが矢を放ち、ずんぐり魔族を滅している。

 空では、翼を持った綺麗目な魔族と天使がぶつかり合って激しく戦っている。サナダ達は、悪玉取りと倒れている人達の介抱をしている。

 天使の隊が来ても、空のモヤは全然晴れていない。

 多少薄くなっているみたいだけれど、お化け屋敷からは黒いモヤが出続けており、これ以上なくなりそうにない。

「ね、このままじゃ、モヤが風に乗ってどんどん広がっていっちゃうよ」

 お化け屋敷の屋根にいた、あの綺麗目な魔族がいない。忍者天使たちが『高等魔族』って言っていた魔族だ。どこに行ったんだろう。闘っている中にも、姿がない。

「大丈夫だ。もうじき大天使が広範囲に結界を張る。あれを見ろ」

 その上空には、頭の上に光る輪を持った四名の天使がいた。

 何事かを話し合うように身を寄せ合っていた大天使達は、互いに頷き合い、一気に上昇すると四方向に散った。

 そして、同時にバッと両腕を広げた。大天使の体から出た光る膜が、蛇腹のように広がって行く。それが繋がって、大きなドームのようになった。

 空が、きらきらと光っている。黒いモヤは、膜に当たるとすぐに消えた。

「わあ、すごい、浄化の力……」

「お前は武器を持って、なるべく隠れてろ」

 印から竹刀の柄がにょきにょき出てくる。抜き出すと、それは、ついさっきまで私と一緒に闘っていた竹刀。だけど、ちっとも壊れていない。
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