俺様天使の助手になりまして
「ああ、オタク天使だ! って、やだ、ごめんなさい! えっと確か、アー」
「ああいいよ。お嬢さんらしくていい。そんなことより、ちょっとここにいてくれるかい? リクトールが危ない」
弾丸のように飛んでいった向こうでは、アクマ天使が何匹もの魔族を相手に闘っている。
私もメリーゴーランドまで戻り、設置されているベンチの背もたれに隠れ、祈るような気持ちで闘いの様子を見守った。
アクマ天使は、魔族と堕天使に向けて、目にも止まらないスピードで矢をつがえて連続で放つ。それを、堕天使は、ぶわっと翼を翻しただけで、難なく返す。
アクマ天使は、倍のスピードになって飛んでくるそれを、瞬間移動のような素早さで避けて、ぱ、ぱ、ぱ、と横に飛びながらヒュンヒュンと次々に矢を射る。
それを堕天使は翼のひと振りで返した。
「強い。矢がちっとも届かない」
結界を張った大天使たちは、何をしているんだろう。結界から離れられないのかな。
それに、助けると言っていたオタク天使は、どこに行ったんだろう。
「あ、あれって!?」