俺様天使の助手になりまして
高等魔族は結界に当たると、ビリビリと感電したようになり、やがて力なく地面に落ちていく。
それを確認したオタク天使はすぐさま体勢を整え、堕天使の背後から矢を放った。それが予想外だったのか、堕天使は翼を動かさないまま身を逸らし、間一髪で矢を避けた。
オタク天使を見、悔しそうに口を歪めている。
アクマ天使とオタク天使は互いに頷き合い、上下左右自由自在に飛び交いながら、連携で攻撃を始めた。
堕天使はくるくる動き回るふたりを見て、両方の翼を翻して風を起こしながら高らかに笑っている。
四方八方に吹く暴風を受けて、小さな魔族が飛ばされて、結界に当たってチリのように消えていく。
ゴオッゴオッと吹く風で、地面に落ちている案内図やゴミ箱に入っている紙コップなんかが空に舞う。
目を開けていられないほどの風に、目と口を庇いながら、なるべく風の当たらない場所を探して隠れた。
「面白い! 非常に愉快だ! あはははは!」
堕天使はかなり余裕そう。というか、本当に嬉しそうに笑っている。
「ねえ、きみ、そこで何してんの?」
「一人?」