俺様天使の助手になりまして
「はい、ほとんど。天使様たちの浄化のお陰で、土玉を受けた人たちは元気になって、今はレストハウスで休んでいます。悪玉取りの方も、なんとか終わりそうです。あとは――あれだけです」
表情を曇らせたサナダが空を見上げる。
そこには、言うまでもなく、堕天使と魔族と天使達の戦いが繰り広げられている。
チャラ男たちを相手にしている間に、魔族はぐんと減って、天使の数が格段に増えていた。忍者天使の姿もある。
翼を広げる堕天使をぐるっと囲んで、全員が弓を構えていた。
そのはるか上空、結界の外では、大天使たちが円陣を組んでるのが見える。何をしてるんだろう。
目を凝らしてじっと見ていると、四人同時にくるっと身を翻して下降し始めた。猛スピードで、ぐんぐんぐんぐん近づいてくる。
「ルーブル、仲間だった魔族たちもほとんど消えたぞ。そろそろ詰みだ。観念したらどうだ」
「全隊、しかも全隊員で私を囲んだくらいで、何を言うのですか。あなたも考えが甘くなりましたね、リクトール隊長。あの健気な助手のせいですか」
「ハハッ、魔に堕ちて頭まで落ちたか。ようやく編み上がったみたいだぜ? 気付かねえのか」