俺様天使の助手になりまして
すると額に手を当てて少し俯いた感じのアクマ天使の体がよろけて、後ろに一歩ずれた。
何かをボソボソ呟いているようだが、すぐにまたぐっと近づいてきて、そのままじーっと私を見下ろしている。
今まで放っていた威圧感とは違う。ちょっと真剣な顔っぽい。何を考えてるんだろう。少しは、私の戸惑っている気持ちとか怒りとかが伝わったのか。
「な、何よ」
「はっ、仕方ねぇな」
ボソっと言い、アクマ天使は一歩で距離を縮めて、私の体をぐいっと引き寄せた。ギラリと光るメガネが間近に迫る。
「来い」
「ぇ、ちょ、来いって、どこに行くの」
そのままぐいぐい抱えられるように運ばれて、店と店の間にある狭い路地に入っていった。
「お前、騒ぐなよ」
「へ? 何が――んぐ?」
いきなり、視界が暗くなった。ついでに息も苦しい。バタバタともがいて見えたのは服だ。その色味から分かるのは、アクマ天使の胸の辺りで。
ということは、また、抱き締められているっ!?
「こんな人目のないとこで、何をす―――んー、んー」
暴れる私の口が大きな手で塞がれて、ますます抱き締める腕が強まった。
「ったく。大人しくしてろって、言ってんだろうが」