俺様天使の助手になりまして
「入ったのが、愛で良かったんだね。もしも悪玉が入っていたら……」
想像したら怖くなった。もしもそうだったら、あの程度では済まなかっただろう。怪我人がたくさん出た筈だ。
「だから、なるべく、憑く前に見つけなきゃならねぇんだ」
「だったら、もっといっぱい助手を探した方が良いんじゃないの? みんなで探せば早いよ」
「それが、出来る人間は少ねぇんだ。ちょっとした危険も伴うし、そもそも玉が見えねぇと話にならん。神父は見えるが、あの年齢だからな。大天使から『お前は助手を探せ』って言われてたんだ。面倒だと思っていたが、神社でお前を見た時は、驚いたぜ」
アクマ天使はニッと笑う。
「お前は、俺が見えるって言うし、弓矢に向かってくる度胸もある。しかも強いんだ。助手として申し分ない」
「でもどうして、そんなものが盗まれたの? 大変なことになるって、分かってるのに。もっと、慎重に管理するものじゃないのかな。アクマが侵入したの?」
「違う。厳重に管理はしていた。だが、誰にも予測できないことが起こったと言える。天界にも悪の心に傾く奴がいたってことだ。お前、堕天使、って聞いたことあるか」