俺様天使の助手になりまして
思ったよりもずっとずっと、大変なことだった。
引き受けたのはいいけれど、私に出来るんだろうか。不安しかない。
精玉。特に悪系は、巧妙に隠れているらしい。人間の感情が渦巻く地上では、玉の声も聞きとり難いと聞いた。だから、見つけ鳥も一日に一個見つけるのが限界で、今日はもうお終いだって言っていた。
「ナビっち。一日に一個かぁ。玉は何個落とされたのかな」
この街のどこかに、あるんだ。
いまいち夢を見ているみたいで現実感がないけれど、アイツは天使で私は助手なんだ。左手の印は、話を聞く前に比べて色が濃くなっている。他の人には見えないらしいけど、本当かな。
学校にいることと『彼氏』の事を聞くと、助手とは四六時中一緒にいた方がいい。それには恋人関係にするのが一番便利だってことだった。
「ん~、それはそうだけど。見せかけりゃそれでいい。って言うけど。初カレなのに~!!」
いろんなことが一気に起こって、頭の中がごちゃごちゃする。これじゃ、宿題どころじゃない。それでも、やらなきゃならない。
宿題を机に出し、何度目か分からぬ盛大なため息を吐いた。