俺様天使の助手になりまして
自分で何とかしないと。とりあえず、そうだ、何か話しかけよう。
「えーっと、あ、あの、アクマ天使? ナビっち、今日は何の反応もしてないの?」
「天使様、だ。反応はまだだ。ほら、いい加減覚悟しろよ」
「へ、や、ちょっと、待って――」
焦るあまりに、ぎゅっと口を閉じて目を瞑った。少し間があって、額に柔らかくてあたたかいものがくっついていた。
「次はねぇからな。行くぞ」
額を押さえてぼーっとしていたら、アクマ天使に手首を掴まれた。そのまま引きずられるようにして、歩き始める。
次はないって。どういう意味?
心臓が早鐘のように打っている。
ぐいぐい引っ張られて歩いてるうちに、ショックから立ち直って、だんだん頭がスッキリと冴えてきた。
〝次はない〟っていうのは、次こそはするぞってことだ。
今まで読んだことのある漫画のシーンが頭に浮かんできた。
イケメンの男子にいきなりキスをされて頬を赤くしてる女子の絵が。そしてその後は……。
えええ、ちょっと待って? ダメダメやだやだ、そんなの駄目っ。