俺様天使の助手になりまして

 アクマ天使にじっと見つめられて、少林寺ちゃんはもじもじしている。

「あ、えーっと」

 もごもご言ってるその頬がすごく赤い。

「陸人君、浮気したんでしょ」

 その空気を破るように、ズバッと言ったのは香奈だ。流石、経験豊富なお方には、アクマ天使のきらきらパワーが通じないみたい。

「浮気? いや、俺に必要なのはアカリだけだから」

 表情変えないまま、さらっと言ってのける。

 みんなが、しーんと静まった。香奈までが、ぽ~とした顔をしている。しょうがないんだけど、絶対誤解している。

「話してるとこ悪いけど、アカリ借りるぞ」

「ああどうぞどうぞ! そんな風に朱里を大切にしてくれてるなら、私達は全然構いませんので。ご自由にどうぞ!」

 息を吹き返したように動いた少林寺ちゃんは、私の腕を引っ張って立たせて、ぐいぐい背中を押してきた。

 アクマ天使に手首をぐっと握られて、そのまま教室の隅っこに連れられていく。背中に、みんなのあつ~い視線を感じてしまう。

「何? 早くしてよね。もうすぐ先生が来ちゃうよ」

「やべーぞ」

メガネの奥の目が、真剣だ。

「さっき、コイツが反応した」


 手の平の上で、ナビっちが、パタパタピコピコ動いている。マナーモードなのか、音はしていない。お腹が赤く点滅してるのは分かるけれど、私には場所の特定ができない。

「今度はどこなの?」

「二個目は、この学校の中だ」

「嘘でしょ……」

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