俺様天使の助手になりまして
聖なる印の発動条件
[聖なる印の発動条件]

 そして放課後になり、今はアクマ天使の家、つまり春川さんの教会に来ている。

 来たというか、例のごとく強引に連れて来られたんだけど。しかもまた、空を飛んで。

「あ~あ、こんなはずじゃなかったんだけどなぁ」

 テーブルの上にある、汗をかいた黄色い水玉模様のコップを見つめる。

 牛乳よりも少し薄めな白い液体は、春川さんが入れてくれた甘いカルピス。赤と青のしましま模様のストローを弄ると、氷がカラカラと涼しげな音をたてる。

 開けられた窓からはひんやりとした風が入ってきて、風鈴がちり~んち~んと清んだ音を鳴らしていて、すごくのどかな感じだ。

 ここは山の中というか、道から離れているから、車の音とか人の声もあまり聞こえない。教会としてはいまいちの立地だが、アジトとしては最適だ。

「朱里さん、お役目お疲れ様です。外は暑かったでしょう。ほら、ポテチもありますよ。水分もですが、適度な塩分も取らないと」

 ぴかぴかに磨かれたテーブルの上にポテチの袋を置く春川さんが、くしゃあっと笑う。

「熱中症になってしまっては、いけませんからね。親御さんに申し訳が立ちません」

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