眼球
【彼は考える】

それらはメルヘン童話のようなもので、例えるならば私は真夏に咲くのアサガオのようなものではないかしら。
私の成長記録は毎朝毎晩書き溜められ、もしや毎年九月の一日に何処ぞの担当先生に提出でもされているのでないかしら。

私は自分でも気付かぬうちに植物のような学童対象物、簡易生物に成り下がってしまったのではなかろうか。
もし明日の朝にでも私の蕾が開いたならば

「よくぞ咲いてくれた。」

とばかりに素敵な挿絵でも添えてくれるのであろうか。どうなのだろうか。
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