僕ﾊ無窓ﾉ居室ﾃﾞ無限ﾉ虚構ｦ夢想ｽﾙ

「…お父さん、ﾀﾊﾞｺ吸ってるんでしょ？携帯で呼び出そうか？」


喫煙室は、控え室から少し離れたところにある。


最近、膝が痛い母さんを歩かせるのは酷だと思った。



でも、母さんは


「大丈夫。きっとお父さん、ﾄﾞｱの前にいるから」


と笑って


「本当に照れ屋で、言いたいことも巧く言えない人だから」


と、ちょっと呆れ気味に言った。



「でもね、ああ見えてあなたが幼稚園の時に描いた絵とか、大事に持ってるのよ」