僕ハ無窓ノ居室デ無限ノ虚構ヲ夢想スル
幼稚園のとき、私はお絵かきが大好きな子供で、四六時中絵を描いていた。
5月のある日のこと。
その日は、母の日の少し前で、みんなでお母さんの似顔絵を描いていた。
お絵かき好きの私としては、当然気合いを入れて大好きな母さんの顔を描いた。
他の子よりも誰よりも、私がうまく描けたと思った。
絵は、幼稚園の先生が赤い画用紙に貼り付けてくれて、折り紙のカーネーションも飾ってくれて、母の日のプレゼントとなった。
絵を持ち帰ったその日、母さんは喜んでリビングの壁に飾った。