僕ハ無窓ノ居室デ無限ノ虚構ヲ夢想スル
冷凍庫から白い冷気がほわーっと流れ出て、冷蔵庫からはトマトの黴の胞子がふわーっと流れ出た。



「…ちょっと、あなた聞いてる?黴くさくてしかたないんですけど」



……やっぱりいた。


15センチのあまり可愛くない妖精が。



「ちょっと、おい。そこの貧根」


妖精は必死で僕に呼び掛けていたが、なんというか可愛くないし。


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