転生したら養子の弟と家庭教師に好かれすぎて、困っています。
お母さんと離れて3年がたった。

私は、今。フランスはパリの王宮に住んでいる。
そして、お母さんが呼んでいた「ベベ」ではなく、「フランソア」と言う名前で呼ばれおり、フランス人らしい金髪で、長い髪をお団子に結い、青色の瞳をしている。

後から知ったことだが、べべは、スペイン語で赤ちゃんと言う意味らしい。

「フランソア、ただいま」

この声の主こそが私の父にあたるアンバー。わがフランス王国の王様で、容姿は、私と随分異なり、栗毛で緑色の瞳をしている。彼が私を誘拐したのであろうという想像は着くのだが、私がこの家に来た日のことは、いまだに聞けていない。なぜなら、父は私をとても溺愛してくれているからだ。

「お帰り、パパ」
私が、笑顔でそう答えると父は、デレッとした顔で、私にほっぺを、擦り付けてきた。

「くすぐったいよ。パパ」

「ごめん、ごめん。フランソアがあまりにもかわいいから食べたくなっちゃったんだ」

「んもう。私もう赤ちゃんじゃないよ」

「そうだよな……」

そういいながらパパは、シュンとしていた。

私たちがじゃれあっていると、召使のソフィーが、私たちを呼びに来た。


「ご飯は、家族みんなで、そろって食べよう」という祖父のおきてにより毎日、召使も含めた家族全員で食べることになっている。

私の家族は、召使のソフィー(メイド)とアン(乳母)、そして私と父の4人。

「フランソア、明日からまたイギリス軍との戦争でしばらくは帰らないけど、お留守番できるかい?」
父は、寂しそうにこちらを見ている。私も子供に戻ったからか最近は、めっぽう涙もろくなっていた。けれど、ここで弱音をはいてもいけない。
「大丈夫よ。パパ。生きて帰ってきてね」
強がりの言葉を返した。そんな私の心情を父も察したのであろう。私のほっぺにキスをして、それからは何も言わなかった。
< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop