✻秘密は甘くて危険な味✻
秘密3.5 奏馬
「お前はこの南田家を継ぐ長男だ。恥だけはかかせるな」
厳格な父親に言われた言葉は、17年経った今でも俺の心を縛り付ける。
逃げ道など無かった。
全てが決められた人生。
俺は、それに従うしかなかった。
父親の機嫌を損ねない様にするだけ。
成績も常にトップを維持。
近寄って来る女はみな、南田と言うブランド名目当て。
勝手に腕に纏わり付き、匂いのキツい香水に化粧で厚く塗られた顔。
猫なで声で名前を呼ばれ、俺は相手を見下しあざ笑う。
気持ち悪くて仕方がない。
それに、結婚する相手は父親が決めるだろう。
俺は従うだけだ。
「俺は恋愛結婚したいな」
幼馴染の小嶋玲夜の放った言葉に、手にしていたペンを危うく落としそうになった。
何馬鹿な事を言ってるんだこの男は。
「運命の人に出会ったら世界は変わるよ」
小指を立ててニコッと笑う玲夜。
また突拍子もない事を…。
運命の人とか恋愛とか一切興味ない。
…筈だった。
「あー!僕のタピティーがあぁぁぁ!!」
失礼極まりない男に出会うまでは…。
次の日には同室になる事。
そして、俺の人生に深く関わってくる事さえ…。
この時の俺は知らない───。
厳格な父親に言われた言葉は、17年経った今でも俺の心を縛り付ける。
逃げ道など無かった。
全てが決められた人生。
俺は、それに従うしかなかった。
父親の機嫌を損ねない様にするだけ。
成績も常にトップを維持。
近寄って来る女はみな、南田と言うブランド名目当て。
勝手に腕に纏わり付き、匂いのキツい香水に化粧で厚く塗られた顔。
猫なで声で名前を呼ばれ、俺は相手を見下しあざ笑う。
気持ち悪くて仕方がない。
それに、結婚する相手は父親が決めるだろう。
俺は従うだけだ。
「俺は恋愛結婚したいな」
幼馴染の小嶋玲夜の放った言葉に、手にしていたペンを危うく落としそうになった。
何馬鹿な事を言ってるんだこの男は。
「運命の人に出会ったら世界は変わるよ」
小指を立ててニコッと笑う玲夜。
また突拍子もない事を…。
運命の人とか恋愛とか一切興味ない。
…筈だった。
「あー!僕のタピティーがあぁぁぁ!!」
失礼極まりない男に出会うまでは…。
次の日には同室になる事。
そして、俺の人生に深く関わってくる事さえ…。
この時の俺は知らない───。