✻秘密は甘くて危険な味✻
「何か今日はとことんついてない気がする」
「朝のは自業自得だから」
「ゔっ…そうなんだけどさ…」
「まぁ、バイト先も決まったし幸先いい方でしょ?それはそうと、タピティーって何?」
「何って、タピオカミルクティーの略」
「そのタピティーって、何か馬鹿にした言い方に聞こえるからやめて」

先生には怒られるし、タピテ…オカミルクティーの呼び方で怒られるし…まぁ、先生の件は自業自得だけども…。
バイト面接で受かったカフェに挨拶に行った帰り道、僕は項垂れながらぶつぶつ文句を並べる。
歩稀にはこっちまで暗くなるからやめてってまた怒られるし…。

寮へ続く道をゆっくりと歩いていると、何やら騒がしい雰囲気に僕達は足を止め顔を見合わせた。

「何で今日はこんなに騒がしいわけ?」
「分かんない。あ、歩稀、寮長が呼んでる」
「ん?」

何故か寮の門の前に普通科の生徒達が集まっていた。
何で中に入らないんだ?
不思議に思っていたら、僕達を見付けた3年生の寮長が手招きして呼んだ。
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