双子の貞子ちゃん 2
「それに、……Aliceだし。」
うっ、と言葉に詰まる。
紅蓮にシノたちがAliceだとバレてからも私はずっと顔を隠してた。
けど、…気づく人は気づくよね。
返す言葉がなく、静かに湊のケーキにフォークを刺す。
「……悪さするなよ。」
その言葉と同時にフォークを持つ手が取られ、あっと目で追えば、フォークに刺さったケーキは湊の口に入っていった。
「…お前の中で、陽彩さんたちより上にならないとな。」
重なった手をもう一度ケーキへと促す湊
「……シノたちとは、場所が違うというかっ…。」
「何?」
顔が近づき、慌てて口を閉ざす。
気持ちの場所が違うよ…。
シノたちは、家族と同じくくりだと思ってる。
でも、湊は、別の…。
異性のとこ。
…さっきからずっとお父様たちが話してる。……結婚を考えるような。