双子の貞子ちゃん 2
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「伊織、本当に行くのか?」
「うん。お父様にたくさん心配かけたし、お手伝いもできてなかったから。」
落ち着いた黒のロングドレスに身を包む私
今日はこれからパーティーがある。
毎年行われるもので、格式が高く、様々な業界の方たちが参加する。
ウィッグの黒髪を菫さんに教えてもらった、私でもできるアレンジにしていき、アクセサリーをつける。
分厚く長い前髪は両サイドに少しずつバラして量を減らし、いい感じにセットする。
視界が広くなったため誤魔化しで細いフレームの眼鏡をかけた。
さすがに格式高いパーティーで貞子の髪型はまずいだろうと思って、試行錯誤した結果だ。
その間もお父様は、うーんなどと言いながら私が参加することを渋々了承してくれた。
たくさんの高級車が立ち並ぶ光景は圧巻だ。
場の空気感と人の多さに少し緊張しながらも、自分の男性恐怖症のところがある程度治っていることに安堵する。