双子の貞子ちゃん 2
本当に美形な家族だ。
よくよく見れば湊は健太郎さんそっくりだな。
「伊織ちゃん、どうかした??そんなじっくり見られると照れちゃうよ。」
「あっ、すみません!」
恥ずかしくなり、慌てて前のめりになっていた体を引き戻し、じっと小さくなる。
「失礼します。藤咲様、安達様、主催の者が挨拶をしたいと申しているのですが。」
「ああ、分かりました。伊織はご飯食べてて良いよ。」
「それなら、湊を側に置いといたらいいわ。伊織ちゃん、何かあったら湊使ってよ?」
「あ…、うん。」
飲み込めないまま、とりあえずうなづき、3人は主催者の元へ向かった。
「行くぞ、俺も腹へった。」
パシッと手首を掴まれ、食事が並ぶところに連れられる。