双子の貞子ちゃん 2
私のヒールに気を使ってくれてるのか、時々振り返って足元を気にしてる。
若干の周りからの視線を感じながら、たくさんの料理が並ぶところに着いた。
パーティーでがっつり食事する人は滅多に見ない。
最初のままだと思うぐらい料理を手にしてる人は少ないようだった。
「お好きなものをどうぞ。お持ちします。」
待ってましたと言わんばかりに、トレーを持ったスタッフが側にすぐやって来た。
「伊織どれ?」
「あっ、えーっと…。そのお魚がっ、……。」
目についたものを言った時、右手首にあった湊の手がするすると移動し、私の右手を優しく包んだ。
「他は?」
「ほ、他は…。…湊に任せる。」
「ふっ、分かった。」