双子の貞子ちゃん 2
「はい。」
「横山です。本日はお客様とご一緒なのですが、よろしいでしょうか?」
お客様……?
そんなこと初めてだ。
そもそもここには、担当医の瑞稀さんと横山さんしか来たことない。
「…大丈夫、です。」
「……失礼致します。」
カラカラと開いたドアの先
お互いに目を見開いた。
「えっ…、菫さん?」
「っ伊織ちゃん!!」
駆け寄る菫さんに抱きしめられた。
久しぶりに感じる人の体温
それになぜかホッとしている。
「心配したんだからっ!横山に聞いた時は、もう、すぐにでも会いに行きたかったのに!……っやっと会えた!」
綺麗な顔を歪めて、泣いている菫さん
ギュッと震えてる腕で抱きしめられている
自分を心配して泣いてくれている
「っ菫さん…。」
それが不謹慎かもしれないけど、嬉しくて。
私は子供のようにすがり泣いた。