眠って居ても、愛してる
「ふあぁ〜…」

9時半頃私は、大きいあくびをしながら家の階段を下りる。

「桜彩⁈おはよう…っ!…起きて…よかった…」

お母さんは私が降りてきた途端私を
抱きしめた。
お母さんは少し震えていて、そしてとても安堵した表情をしていた…

「お母さん?今日って何月何日?」

そっとお母さんを抱きしめながら聞く

「ああ、そうだったわね。今日は4月7日よ桜彩が眠って1週間が経ったわよ…」

1週間…その言葉で自分が病気だという事を思い出す…


私はクライン・レビン症候群と言う病を患っている…私は、大学も中退してしまって、いつ眠るか
どれだけ眠るかわからないため、会社にも入れて居ない…なんて親不孝なのだろう…ただ眠って、いつ起きるか分からない…こんな私…
いつか愛想をつかされるんじゃないか…
そんな風に今日も怯えている…

「あっ!そうだった!」

お母さんの大きい声が私を暗い思考の中から助け出してくれる。

「桜彩…相談なんだけれど、難病専門の病院に転院しない?」

どういうこと?転院?どうしてだろう…

「あ、あのねその病院はね、施設が整って居て、桜彩の難病についてもこんな田舎よりも詳しく診察してくれるらしくて、だから転院したらどうかなって…」

お母さんは私が邪魔になってしまったのかな…
いつか…と怯えていたことが起こってしまって、私の頭は真っ白になってしまった。


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