眠って居ても、愛してる
お母さんの声が遠く聞こえる…やっぱり私は…
そう思うと、私の身体はこの場から逃げ出したい衝動に駆られる。
もう…もう…何も聞きたくない…!

「待って!どこ行くの!?桜彩!」

ごめんなさい…どの言葉も声にはならず、ただの嗚咽として終わった…

「桜彩!」
後ろを振り返ると仁が私のことを呼び走っていた。

そんな優しさからも逃げたくて、走って、走って、走って、走って


着いた先は、綺麗な桜が咲いている公園。


「はぁ…はぁ…っはぁ」

久し振りに走ったためか、息切れがすごい…喉も血の味がする…苦しい…辛い…

涙が溢れた

苦しさからか、それとも心の痛みからなのか分からないが止まらない…

痛い、痛い、痛い

心も体も苦しい…どうしたらいい?

頭では分かっている。お母さんが私を見捨てているわけでは無い…と、

でも、でも絶対なんてこの世の中にはないじゃないか…
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