少年と化け物
ある日のこと、少年はいつも通り‘‘友達’’と話をしていた。
そんな彼に平静を装いながら、なだめるように母親が言う。
「ねぇ、そろそろ、そのお友達とさようならしてみない? 今のお友達とさようならできたら学校にも行けるし、もっとたくさんのお友達ができるわよ」と。
しかし少年は、よく見たら引きつった顔をしているものの一見穏やかに話す母親を強く睨みつけた。
「……どうして? どうしてそんなことを言うの……!?智樹くん悲しんでるよ。謝ってよ」
少年のその言葉に母親の平静は崩れ、青ざめていく。
それでも必死に少年を説得しようと試みる。
「そ、そう。そのお友達は智樹くんっていうのね。智樹くん以外のお友達は欲しくないの?」
「いらないよ」
「でもね…… 智樹くんは、あなたにとって良くないものなのよ。お別れをしないといつまでもあなたは外に」出られないわよ、と最後まで言えなかったのは少年の怒声にかき消されたためである。
そんな彼に平静を装いながら、なだめるように母親が言う。
「ねぇ、そろそろ、そのお友達とさようならしてみない? 今のお友達とさようならできたら学校にも行けるし、もっとたくさんのお友達ができるわよ」と。
しかし少年は、よく見たら引きつった顔をしているものの一見穏やかに話す母親を強く睨みつけた。
「……どうして? どうしてそんなことを言うの……!?智樹くん悲しんでるよ。謝ってよ」
少年のその言葉に母親の平静は崩れ、青ざめていく。
それでも必死に少年を説得しようと試みる。
「そ、そう。そのお友達は智樹くんっていうのね。智樹くん以外のお友達は欲しくないの?」
「いらないよ」
「でもね…… 智樹くんは、あなたにとって良くないものなのよ。お別れをしないといつまでもあなたは外に」出られないわよ、と最後まで言えなかったのは少年の怒声にかき消されたためである。