好きになってもいいですか?
放課後


私はいつもどうり水涼と彗那と一緒に陸上に行った。


凜斗と紘平は一緒にいってたけど、浠夕だけいないことに気がついた。


あ、そっか。告白されてるんだった


――チクッ


もー、なんなの、ほんとに。


チクってならないで欲しい。痛いし、モヤモヤするし、よくわかんない。


ちょっと遅れて、浠夕が来た。


なんか、怒ってる?


「おいー!浠夕。また告白かぁ?」


サッカー部の人たちがいじり始めた


「んー、そんな感じ。でも断ったって」


「今回は、竹原さんだったんだろ?もったいねぇー。俺なら即OKだわ」


私も私も、と思いながら盗み聞きを続けた。


「俺、ああいうタイプの子無理なんだよな。告白する時、悪口言って自分棚に上げてたし」


まじか…、可愛い子に限ってそういうところあるよね…


「宙葉先輩!準備みんな終わりました!」


「あ、うん!アップ行きます!」


私は、盗み聞きを中断して走り始めた。


んー、気持ちいい。この時が好きなんだよなぁ


「ねぇねぇ!サッカー部の浠夕先輩と凜斗先輩と紘平先輩、かっこよくない!?」


「それ!まじでかっこいい。私狙っちゃおっかなぁー」


後輩までにも好かれるのね。あの3人


「ちなみに誰タイプ?私は紘平先輩」


「私凜斗先輩かも!あの大人びた感じ流石って思う!!」


「私は、浠夕先輩かなー!爽やかだし、完璧だし、家でデレデレしてくれたら最高!」


へぇー、なんか凄いとしか言いようがないや


「おーい、宙葉!グランドサッカー使うから、ボール飛んでくるかもしれねぇ。きーつけろよ」


浠夕がなんか言ってる。


「りょーかい!」


返事くらいしとかないとね。


「あ、あの!宙葉先輩。浠夕先輩とどういう関係ですか!?」


凄い目がキラキラしてるな、この子達


「幼馴染だよー、生まれた時からずっと一緒。朝起こしたりしないといけないから、大変なんだけどね」


「羨ましいぃぃぃぃ!」


皆、声揃えて言わなくても…


いいことなんて、何も無いのに
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