✽新✽魔王様と暁の姫〜月は夜明けの花を永久に想う〜
始まりの夜明け
夜明け前――美しい青がどこまでも続く空を、少女と見上げる。遠くまで見渡せる丘の上は、ユリの花で白雪色に染まっている。
知っているはずなのに。物語の結末を。
それでも、少女は愚痴ひとつ言わない。
それなのに。なぜ、笑えるのだろう。
困惑する少年と、どこまでも明るい少女。
不安に揺れるのを見透かしたように、少女は優しく笑いかける。
――大丈夫。夜には月の灯(ランプ)があなたを照らして、朝になれば太陽の灯(ランプ)があなたをあたためてくれるから。
まだ不安?
なら……はい、これあげる。
ーー綺麗でしょう? 魔王様の瞳と同じ色なの。
なんで? ふふっ、だってわたしの大好きな色だから。
夜が明ける。淡い光の中で、漆黒の長い髪をなびかせながら少女は微笑む。
知っているはずなのに。物語の結末を。
それでも、少女は愚痴ひとつ言わない。
それなのに。なぜ、笑えるのだろう。
困惑する少年と、どこまでも明るい少女。
不安に揺れるのを見透かしたように、少女は優しく笑いかける。
――大丈夫。夜には月の灯(ランプ)があなたを照らして、朝になれば太陽の灯(ランプ)があなたをあたためてくれるから。
まだ不安?
なら……はい、これあげる。
ーー綺麗でしょう? 魔王様の瞳と同じ色なの。
なんで? ふふっ、だってわたしの大好きな色だから。
夜が明ける。淡い光の中で、漆黒の長い髪をなびかせながら少女は微笑む。