✽新✽魔王様と暁の姫〜月は夜明けの花を永久に想う〜
その手を取ることに少し躊躇いながらも、少年は手を取る。
「ユーリ、だ。よろしく」
「花の名前なんだな。知ってるか?リアの一番好きな花だぜ。ここの庭って、薔薇の次にユリが多いんだよなー確か」
「そうなのか。クオイと呼んでもいいか……?」
少し不安になる。それでもこれは直感だろうか、唯一無二の存在になるかもしれないという。相手はあっけらかんと答えた。
「そんなの聞くまでもないって。俺たちもう親友なんだし、そんなにかしこまるなよ」
「……ああ」
これは雨が繋いだ運命かもしれない。
少女に視線を向けるとーー春の陽ざしのような笑顔が返ってきた。
今だけは。
今だけはこのままで……。
「ユーリ、だ。よろしく」
「花の名前なんだな。知ってるか?リアの一番好きな花だぜ。ここの庭って、薔薇の次にユリが多いんだよなー確か」
「そうなのか。クオイと呼んでもいいか……?」
少し不安になる。それでもこれは直感だろうか、唯一無二の存在になるかもしれないという。相手はあっけらかんと答えた。
「そんなの聞くまでもないって。俺たちもう親友なんだし、そんなにかしこまるなよ」
「……ああ」
これは雨が繋いだ運命かもしれない。
少女に視線を向けるとーー春の陽ざしのような笑顔が返ってきた。
今だけは。
今だけはこのままで……。