✽新✽魔王様と暁の姫〜月は夜明けの花を永久に想う〜
数分後……。

「暇なんですけどー」


食後のお茶を二回もおかわりし、たった数分しか経っていないのだが、既にクオイは暇そうにしている。


「暇じゃないだろう、この後ロキが来るんだから。だったら部屋でも片づけたらどうなんだ?」

「掃除マスターと使用人のお姉様いるのに?!」

「誰が掃除マスターだ。それにしても、ロキが来るなんて珍しいな。城へは滅多に顔を出さないのに」

「用事が済んだんだろ?ルシュラはほんと心配性の塊だよなー」

「悪かったな」


紅茶を飲んで心を落ち着けようとしたものの、不安が消えることはなかった。


ルシュラに仕える占国出身の少年、桔梗がそれを教えてくれた。さまざまな占いに精通しており、独自の占を持つ。そんな少年が終わりの神がこちらへ向かっている、のだという。


一体どうしたものか。何の連絡も寄こさないで来るのは、今まで一度もなかったはずだ。


変わったことがあったとするのなら……。


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