✽新✽魔王様と暁の姫〜月は夜明けの花を永久に想う〜
陽に当たってより煌めく金色の髪。戸惑いながらもどこか嬉しそうな横顔の、少年。
ーーリシュティアが連れてきた。
桔梗はこれも、事前に言い当てていた。知らず知らずのうちに眉間に皺が寄っていたのだろう。クオイが自分の眉間をトントンと指でさす。
「そんなんだと疲れるぜ?しわしわのじーさんになりたきゃ別だけど」
「……なりたいわけないだろ。お前のそういうとこ、嫌いじゃない」
「そりゃどーも」
少し肩に力を入れすぎたかもしれない。ふとリシュティアの方を見ればーー何をどうしたらそうなるのか、パンが真紅に染まっている。イチゴジャムが入っていた瓶は、いつの間にか空っぽになっていた。
口元を見て驚いたルシュラが、慌ててナプキンで丁寧にふきとる。
まるで、本当の兄妹のようである。さりげなくその様子を見ていたユーリはそう思った。
「……いいな」
「え」
ルシュラが間の抜けた声をあげる。どうやら口に出ていたらしい。自覚はないが、羨ましく思ったのかもしれないとユーリは自己分析をした。
それを終始見ていたクオイがニヤリとする。
ーーリシュティアが連れてきた。
桔梗はこれも、事前に言い当てていた。知らず知らずのうちに眉間に皺が寄っていたのだろう。クオイが自分の眉間をトントンと指でさす。
「そんなんだと疲れるぜ?しわしわのじーさんになりたきゃ別だけど」
「……なりたいわけないだろ。お前のそういうとこ、嫌いじゃない」
「そりゃどーも」
少し肩に力を入れすぎたかもしれない。ふとリシュティアの方を見ればーー何をどうしたらそうなるのか、パンが真紅に染まっている。イチゴジャムが入っていた瓶は、いつの間にか空っぽになっていた。
口元を見て驚いたルシュラが、慌ててナプキンで丁寧にふきとる。
まるで、本当の兄妹のようである。さりげなくその様子を見ていたユーリはそう思った。
「……いいな」
「え」
ルシュラが間の抜けた声をあげる。どうやら口に出ていたらしい。自覚はないが、羨ましく思ったのかもしれないとユーリは自己分析をした。
それを終始見ていたクオイがニヤリとする。