✽新✽魔王様と暁の姫〜月は夜明けの花を永久に想う〜
「ルシュラお兄様は面倒見いいしねぇ。可愛い妹もいることだし、イケメンの弟が増えてもいいでしょうよ〜」

人をからかうのが好きーー主にルシュラだが。退屈だったためか、生き生きしているのがよくわかる。


「わたしも賛成、ふふよかったね魔王様」

「いいことなのか?……仲、いいんだな」


一見、正反対に見える二人。


すぐ言い合いになったが、本気でケンカしてるようには思えない。にぎやかな雰囲気は苦手なはずなのに、不思議と苦しくない。


リシュティアからの返答は意外なものだった。


「仲良くないよ。でも引き合っちゃうの、それはもう運命みたいに」



運命。――確かに。


ふっとユーリはおかしくなって笑みを浮かべた。自然と腑に落ちてしまうくらい、納得できてしまう不思議な二人だ。

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