お ま じ な い
保健の先生手当をして貰いながら、サクノは先程のひとときを思い出す。


これが、おまじないの効果なのだろうか。


だとしたら、これは本当に力を持っている。


少しばかり代償は大きいが、セツナの言うようにイベントと思うなら仕方がない。


あと少し進展するために、もう1枚人形を埋めてもいいかもしれない、とサクノは考えを巡らせる。


今日ならば補習は午前までで、午後は希望者のみの美術補講だ。


明日はプールの補講があり疲れてしまうだろうから、神社に行くならやはり今日がいい。


補講で荷物が少ない日に持ち帰る予定だった書道セットの中に半紙もあることだ。


人形を作るのは造作もない。


サクノの思考はどんどんと広がっていく。


保健の先生に「大怪我じゃないんだから、ぼーっとしてないで教室に戻りなさい」と肩を叩かれるまで、サクノはずっとおまじないのことを考えていた。
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