お ま じ な い
「『狂わすには四つ辻、殺すには宮の下』って知ってる?」
サクノは懸命に首を横に振る。
「教えてあげよっか。サクノがせっせと神社に埋めた人形は、サクノを呪い殺すための人形だったんだよ」
「……ぁ……あ…………」
「あの梵字はアラキタケヒロじゃなくてシラユキサクノ。恋のおまじないなんて信じちゃって笑っちゃう」
なんで、とサクノは掠れた声で訴えた。
もっとも、その声は恐怖と震えでほとんどセツナには届かなかったが。
「心当たりないなんて、そんなことは言わないよね。私の頭がサクノの頭に及ばないこと知ってて謙遜してたでしょ。機嫌伺ってへつらって、そのくせ私の想いに気付きやしない。どうせ私がアラキのこと好きだったのにも気づいてないんでしょ?」
ズブ、ズブ
サクノの体が水中へと引きずり込まれ、顎の辺りまで水面が迫る。
サクノは声にならない悲鳴をあげて、必死で“何か”を振り払おうとした。
サクノは懸命に首を横に振る。
「教えてあげよっか。サクノがせっせと神社に埋めた人形は、サクノを呪い殺すための人形だったんだよ」
「……ぁ……あ…………」
「あの梵字はアラキタケヒロじゃなくてシラユキサクノ。恋のおまじないなんて信じちゃって笑っちゃう」
なんで、とサクノは掠れた声で訴えた。
もっとも、その声は恐怖と震えでほとんどセツナには届かなかったが。
「心当たりないなんて、そんなことは言わないよね。私の頭がサクノの頭に及ばないこと知ってて謙遜してたでしょ。機嫌伺ってへつらって、そのくせ私の想いに気付きやしない。どうせ私がアラキのこと好きだったのにも気づいてないんでしょ?」
ズブ、ズブ
サクノの体が水中へと引きずり込まれ、顎の辺りまで水面が迫る。
サクノは声にならない悲鳴をあげて、必死で“何か”を振り払おうとした。